高齢社内になっている現在、特別養護老人ホーム(特養)の入居待機者が50万人以上います。
経済的負担などを考えて、入居希望しない人も多くいます。
特養の入居待機者の実数は何人でしょうか・・・・正確な数字は誰にもわからない・・・
介護保険制度ができたのが2000年です。
2000年時点の介護保険利用者は149万人でした。2013年度には利用者は471万人になっています。
介護保険利用者が3倍に増えたのに対して、介護施設や介護のシステムは改善されていないのが現実です。
特養の入居までには、3年ほどの期間を要します(地域差があります)から、亡くなる高齢者もいるものです。
特養ではなく、民間の介護付き有料老人ホームは、比較的、簡単に入居できますけど、入居費用や毎月の生活費が高額すぎて、大部分の人は利用できないのが現実です。
有料老人ホームは、介護施設というよりもホテルに近いイメージですね。1泊食事つきで1日1万円として考える事ができますね。
そんな中、国の高齢者福祉政策は「施設介護から在宅介護への移行」です。
介護保険制度も、施設利用の条件を厳しくする事で、施設の利用を制限し在宅介護を主流にする方向です。
来春(2015年)からは、特養の新規入居基準が「要介護3」以上に限定されます。
ただ、マヒなどのように外見から判断できる人の場合は、要介護判定も問題ないですけど、認知症の場合は感覚による部分が加味されますから、判定がぶれる事もあります。
在宅介護を主流にするに当たって「24時間定期巡回・随時対応サービス(24時間対応訪問介護サービス)」と「小規模多機能型居宅介護」の介護サービスがあります。
しかし、介護スタッフの確保などに問題があり、一部の地域でしか実施されていないのが現実です。
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まず、一般的な「訪問介護サービス」と「24時間対応訪問介護サービス」の違いを比較します。
「訪問介護」は、1回の訪問時の作業時間が20分以上で、その都度、利用料金が発生します。
「24時間対応訪問介護」の場合は、利用者の要介護度による定額制になっていますから、利用回数にも利用時間にも制限がありません。
自宅で生活しながら、特養などの介護施設波の介護サービスが受けられるというものです。
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「小規模多機能型居宅介護」は、数も少ないですから利用できる人も少ないのが現状です。
イメージとしては「デイサービス+訪問介護+宿泊サービス」をミックスしたようなものです。
冬場などの寒い季節には、グループホームのような利用の仕方も可能ですけど、各施設によって色々なルールを作って運営しています。
利用内容にもよりますけど、自己負担が5万円程度を目安に利用している人が多いようです。
高齢で独居の人にとっては利用しやすい施設ですけど、施設数が少ないのがネックですね。
介護保険料を払いつつも、利用できないのが不公平感につながります(都市部にはありますけど、地方・田舎には皆無な状態です)
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「24時間対応訪問介護サービス」の場合、要介護度による定額制で24時間対応というメリットがあります。
しかし、複数の介護スタッフや医療スタッフが頻繁に出入りしますから、落ち着かないものです。(割り切るしかないのかも)
「24時間対応訪問介護サービス」のサービスを利用する1日のパターンを上げてみると・・・
@朝食の準備⇒⇒⇒A食事の片付け・排泄介護⇒⇒⇒B昼食の準備⇒⇒⇒C食事の片付け・排泄介護⇒⇒⇒D夕食の準備⇒⇒⇒E食事の片付け・排泄介護・入浴介護⇒⇒⇒F必要であれば就寝準備
さらに、服薬などが発生する事も考えられます。もっとも、食事回数を2回にしたり、食事は出前や配達を利用する方法もあります。
介護スタッフも、同じ人が出入りするのではなく時間帯や曜日によって複数の人が担当する事になります。
利用方法にもよりますけど、1日6回程度、色々な人が出入りする事は神経を使うものです。
高齢者の一人暮らしだとの場合、便利なサービスですけど、落ち着かないかもしれません。
特に、真夜中でも利用できますから、近所の人にも影響を与えるものです。
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「24時間対応訪問介護サービス」を利用者から見た場合は、便利なサービスです>
提供者(業者)から見た場合の問題点として上げられるのが、介護スタッフの確保です。
「小規模多機能型居宅介護」は「デイサービス+訪問介護+宿泊サービス」をミックスしたようなものですから、介護経験者であれば対応しやすいものです。
「24時間対応訪問介護サービス」は、一般的な「訪問介護」と似ているようで「異種の介護」といえそうです。
そもそも、一般的な訪問介護の場合、介助・介護というよりも、炊事・洗濯・掃除などの家事的な業務が多いものです。
「24時間対応訪問介護サービス」の介護事業所は全国にどれくらいあるのでしょうか・・・・2013年度末において500箇所程度です。
事業所は、都市部に多く地方には少ないのが現状です。
高齢化の進行度合いは地方のほうが高いですけど、介護施設の充実度は地方のほうが低い!! 不都合な現実です。
地方の高齢者の場合、年金だけしか収入がない場合が多いですから、介護施設があっても利用できない(しない)という現実もありますけど・・・・結局、最終的には「お金の有無」なんですね。
高齢社会になっている現在、高齢者社会福祉に対しては、数多くの法律が作られています。しかし、法律はあっても介護事業者がいない!!
介護事業者というと、会社のように思われますけど、個人商店みたいなものです。大規模な特養や老健であっても、経営手法は個人商店みたいなものですから、経営者の考え方が大事!!
色々な法律を作る事はできても、介護事業者がいないというのが現実です。
要介護者にとって、利用したくても介護施設がない!!都市部よりも地方のほうが深刻な問題です。
厚生労働省の試算によれば、2025年には「24時間対応訪問介護サービス」の利用者は15万人になるという事ですけど・・・・事業所がないのに利用者が増えることは考えにくい・・・・そう、絵に描いた餅!!
「小規模多機能型居宅介護」の事業所は、2013年度末において、3490箇所、利用者は7万2千人程度になっています。
これも、都市部に多くて地方では少ないですね。
厚生労働省の試算では、「小規模多機能型居宅介護」の利用者は2025年で、40万人になるという事ですけど・・・・あと10年程度で、利用者が5倍以上になるとは考えにくい・・・・これも、絵に描いた餅!!
法律は立派なんですけど、実施する事ができないのは・・・・介護の現状を知らないからかも・・・・
24時間、働ける介護スタッフ・看護師が不足している・・・・
しかし、介護スタッフ・看護師の人材不足は今に始まった事ではありませんけど・・・・
昼間だけの勤務と違い、夜間にも不規則な勤務がありますから、人件費は高くなります。
給料が高ければ、人材は集まりやすいのが現実です。しかし、介護報酬からの収入だけでは高い給料は払えない・・・・
介護といえどもボランティアではないですから、給料は大切です。介護事業所は公共機関ではないですし、公務員ではないですから利益を追求する必要があります。
「24時間対応訪問介護サービス」も「小規模多機能型居宅介護」も都市部では普及していても、田舎では難しいのが現状です。
なぜ、田舎では介護サービスが普及しにくいのか???
色々な理由があります。
人口が少ないですから、利用者を広域から集めなければならない。広域から集めるとなれば、移動時間も長くなります。
特に24時間訪問介護の場合、真夜中に訪問する事もありますし、雨天や雪などの悪天候の場合もあります。
介護の仕事は悪天候だから、キャンセルする訳にも行かないですし、それが原因で要介護者に支障が出たら、責任問題に発展しかねません。
田舎の場合、移動の為には車の運転が必要です。深夜や悪天候の時の車の運転は事故のリスクも高まります。
都市部と違い街路灯なども整備されていませんから、田舎の道の夜間運転の難しさは、体験しなければわからないものです。
タクシーでさえ嫌がりますから・・・・
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介護の人材不足!!と言いつつも、都市部と違い地方で集める事ができます。
ただし、若い人に限定すると難しいですけど・・・
さらに、介護の資格の有資格者や経験者という条件付の募集が多いですけど・・・・
素人を採用して、介護の仕事ができるように教育するくらいで募集する事が大切です。
実際には、60歳を過ぎても元気な高齢者も多くなっています。年齢制限をつけるのも介護職員不足に陥る要因です。
(ハローワークなどの募集では、年齢性別不問となっていますけど、現実には制限が存在しているものです)
都会の高齢者よりも田舎の高齢者のほうが元気かもしれませんね。
確かに法律上では、介護の仕事をする上で介護の資格が必要!とされていますけど、その条件が介護職員不足の一因にもつながっています。
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最近、気になるのは介護の求人は多いですけど、介護福祉士などの有資格者や経験年数を採用条件にしている事です。
表向きには、資格よりも人物次第といいますけど・・・・
介護福祉士の資格を取得するにもお金がかかります。
以前あったホームヘルパーの資格が廃止され、介護職員初任者研修に変わりました。
より高度な介護を提供するのが目的ですけど、資格取得にかかる費用も高くなっています。
介護施設などで働きながら、片手までは取りにくい資格になっていますね。介護の仕事の給料は安いですから、資格を取るだけで1ヶ月分以上の給料が無くなってしまいます。
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介護の仕事の給料は安い!!と言いつつも、反論する主張もあります。
あるテレビ番組の中で取り上げられていました。
1つの介護事業所で一定期間(15年以上)、働きつづければ看護師並の給料になるというものですが・・・・
そもそも、看護師の給料も高いとは言えませんから、比較の対象にはならないのでは???
会社員や公務員と比較してみる必要がありますね。
介護職員の場合、半分は非正規職員ですから、1つの介護事業所で15年働き続けるのは、至難の業!!
非正規職員の場合、時給を上げ続けると人件費が高騰しますから、一定期間(3〜5年程度)を過ぎると、契約更新しないケースが多いものです。
介護に関する法律は整備されていますけど、介護の仕事をした人が作っているわけではありません。
逆に考えると、経験がないから感情移入無しで割り切った法律が立案できるのかもしれませんね。
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