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介護の日々の出来事

不親切な介護がQOLの維持につながります。

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受付嬢
高齢社会になっている日本において、バリアフリーユニバーサルデザインなどの手法が浸透しています。

バリアフリー&ユニバーサルデザインというと、難しいように思われますけど、老若男女のすべての人が使いやすいように施設を整える事です。
階段に手摺を設けたり、段差がある部分は階段よりもスロープにしたりする事によって、転倒事故などを減らすというものと考えられます。

トイレや浴室には手摺などを設ける事で、利便性が高まります。

本来は、車椅子の利用者や視聴覚の障害者に対しての利便性を高めたいものですけど・・・・・

高齢社会になっている現在、高齢者が多いということは要支援・要介護者も多くなります。
医療技術の進歩によって、脳出血などでも治療によって治す事ができるようになりました。

しかし、完全に治ればいいですけど、麻痺などの後遺症が残るケースも多いものです。
バリアフリーやユニバーサルデザインが浸透しても、麻痺のある人にとっては介護が必要になってしまいます。
ペット
そんな中、逆転の発想というべきなのが・・・・不親切な介護助けない介護ほったらかし介護などです。

言葉だけ聞くと、マイナスのイメージを持ってしまいます。
周りの人から見れば、不親切だったりほったらかしですけど、離れた場所から見守っています。

身体機能が低下する原因を考えると、不親切な介護のほうがQOLの維持には効果があるかもしれません。

周囲に誰もいなければ、何をする場合でも自分でしなければならない・・・・残された身体機能を使って自分で行動する事は、QOLの低下を防ぐ事にもつながります。
しかし、不親切な介護の目的を理解できていなければ、高齢者の命にも関係します。

夏場であれば、気温に対する皮膚感覚が低下している高齢者は水分不足になりやすく、熱中症になりやすいものです。
若い人の場合は、体を冷やしたり水分補給をする事で体力が回復しますけど、高齢者の場合は内臓などにも影響を及ぼし生命に関係するものです。

要介護者のQOLのレベルに合わせた「不親切な介護」が理想です。
高齢者と考えずに、赤ちゃんが立ち上がったり、安全に動き回るにはどうしたらいいか???

赤ちゃんの成長に合わせて工夫しなければなりません。
成長するにしたがって、障害物(バリア)も問題にならなくなるものです。

高齢者もQOLのレベルに合わせて、必要最小限のサポートにとどめたいものです。
動きが鈍くなっている高齢者を見ていると、手を出してしまいそうですけど・・・・

たとえば、広い廊下であれば片方の手摺だけの場合、転倒のリスクがあります。
しかし、狭い廊下であれば転倒する前に、壁にぶつかりますから転倒しにくいものです(実は、真正面・真後ろに転倒するケースは少ないものです)

高齢社会に対応する為に、色々な法律や条令などが決められていますし、公共施設に取り入れられています。
しかし、しかし、法律を考えたのは「利用する側の高齢者」ではないことが問題です。

大学教授などの学識経験者が、ヒヤリングをしてモットモらしい理屈を組み立てています。
介護の仕事の経験や、高齢化が進行している僻地などのライフスタイルを参考にしなければ、高齢者が望んでいるものは作れそうにないですね。

色々と書いている間に気になる介護施設があります。

夢のみずうみ村」というデイサービスセンターです。
段差、坂、階段等日常で遭遇する可能性のあるバリアを意図的に配置した「バリアアリー」施設です。

意識しなくても、施設の中を移動するだけでリハビリになるという介護施設です。
夢のみずうみ村のURLは⇒⇒⇒http://www.yumenomizuumi.com/about/peculiarity-01.html

新聞やテレビでも取り上げられているようです。
ただし、大手企業が全国展開している介護施設ではないですから、施設の数は限られています。
施設については⇒⇒⇒http://www.yumenomizuumi.com/company/index.html

高齢社会になって、介護職員不足が叫ばれています。
高齢者の身の回りの世話をすべて行う事も大切ですけど、QOL維持を目的として不親切にする事も大切です。結果として、QOLの維持にとっては「親切過ぎない介護」のほうが効果的だと感じます。

介護の仕事をしている人間にとって、時間に追われて介護の作業をしています。
不親切な介護」のほうが、要介護者のQOLの維持には効果的だとわかっていても、実行できないのも現実です。

限られた時間内で「食事介助」「入浴介助」「排泄介助」などを行わなければ、他の介護スタッフにも迷惑がかかりますし、全体のスケジュールにも悪影響があります。
特養・老健などの介護施設の場合、要介護者に不親切にすると、家族などからクレームが出てしまうものです。

家族などからクレームが出るということは・・・・非正規職員の私にとって仕事を失うリスクもあるということですから・・・・

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この記事へのコメント

  • つつじの子
  • 2015年03月26日 12:03
  • 『親切過ぎない介護』

    良い響きです。
    親切にどこまでやるか。
    不親切にどこまでやるか。
    どちらにしてもルール作りですから、施設方針として統一すれば、どっちもありですよね。

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